2021/01/19

【Win10】複数の回復パーティションがある場合の調査方法

2024/02/28更新→

bloggerだと画像が見えにくいという課題があるのでblog2に移動しました。
記事はこちらをご覧ください。


PCリフレッシュ作業にて、回復パーティションが複数あるHDDがあったため内容を調査しました。その内容をメモとして記載します。



通常、Cドライブの直後にOSの回復パーティションが存在するため、予測ではそのエリア(この場合は817MBのパーティション)がWindowsREの領域と推測できます。

その後方にも、10.06GB、1.12GBのエリアが回復パーティションとして存在しているのでこの内容を見てみます。


回復パーティションは、ディスクの管理画面ではどのような役割かは見ることが出来ません。

一般的なパーティションでは、以下の様に右クリックメニューが表示されますが、


回復パーティションでは「ヘルプ(H)」のみの表示です。


この回復パーティションの詳細を知るためには、diskpartのコマンドを用いて確認する必要があります。


①どのパーティションがWindowsREの回復パーティションなのか?

cmd.exeを起動(Win+Rからcmdと入力)し、以下のコマンドで確認できます。


reagentc /info


この画面にて、Windows RE の場所に注目してみます。

¥¥?¥GLOBALROOT¥device¥harddisk0¥partition4¥Recovery¥WindwosRE

とあります。

パーティションは4ですね。

ドライブはharddisk0となっているので0です。


そうすると、その他のパーティションは何になるのでしょうか?

直接パーティションの情報を見てみましょう。


②diskpartで各パーティションの情報を見る

コマンドから diskpart を起動します。

※管理者権限が必要になりますので、ユーザアクセスコントロールの画面で「はい」を選択してください(あらかじめcmd.exeが管理者権限で起動している場合は表示されません)


対象となるディスクドライブは、WindowsREの項目に記載されていた0なので、

select disk 0 

list partition

としてパーティションのリストを見てみます。


パーティション4以降はTypeが回復になっていますね。


先ほどのパーティション4の詳細を見てみます。

select partition 4

detail partition




一番下部の「Label」が WINRETOOTLS となっています。

ということで、WindowsREの領域と考えられます。


同様にパーティション5,6も見てみます。


select partition 5

detail partition

select partition 6

detail partition



10GBのパーティションは、Image

1.2GBのパーティションは、DELLSUPPORT

となっています。


この内容から推測すると、

パーティション 5はOSリカバリ用のイメージ

パーティション6はDELLのサポートツールが格納されている

ということが分かります。


リカバリをしないのであればパーティション5は不要でしょうが、メーカ提供の領域のためこのまま保持しておいた方が良さそうですね。


diskpartを終了する場合は、exitと入力してENTERです。


【追記】

DELLは「Dell OS Recovery Tool」にてイメージをネットからダウンロードしてUSBの再インストールイメージを創ることが出来るようです。こうなるとこの10GBの回復パーティションも削除しても良さそうですね。

https://www.dell.com/support/home/ja-jp/drivers/osiso/

なお、ダウンロードの際には、サービスタグの入力が求められます。



回復パーティションはディスクの管理画面では詳細が分かりにくいですが、このように標準のツールを利用して、内部の情報を把握することは出来ます。


diskpartはディスク内部の構成の変更が出来るツールのため、誤った操作で容易にディスク構成を破壊することも可能です。

ツールの利用にはコマンドのタイプを含めて慎重に利用してください。


参考:https://ascii.jp/elem/000/001/501/1501374/

2021/01/10

【詐欺】Amazonからのアカウント停止メッセージ

SEM-IT代表のところに届いた「Amazonのアカウント停止」のメッセージです。
もちろんウソのメッセージで実際にはAmazonから届いたものではありません。

焦らせて判断を急がせるような内容は詐欺の可能性が非常に高いです。

判断を鈍らせる心理的な要素もあるのでしょう。

一呼吸おいて、よく中身を見てみることが重要です。


こういったメッセージに添付してあるURL(インターネットのアドレス)にはタッチしてアクセスしないでください。

アクセスすると、Amazonと似たような画面になっていますが、入力したログイン情報を盗むのが目的なのです。

こういった行為を「フィッシング」と言います。

これら詐欺まがいのメッセージの見分け方です。
現時点ではいくつかパターンがありますのでこれらに注意してください。


①SMSで届く不明な番号のメッセージ

SMSとは「電話番号」だけでメッセージが送れる仕組みです。相手は11桁の電話番号(実際には先頭の3桁を除く8桁)を適当に選んで送信しています。

送信先が分かって送っているのではありません。

iPhoneの場合メッセージアプリの送信ボタンが「緑色」になっていて文字を入力する部分に「SMS/MMS」と表示されています。iPhone同士の場合は「青」で「iMessage」となっていますので違いを判断できます。

もちろん、iPhone以外のスマートフォンや携帯を使っている人は、SMSで届くと思いますが、たいていの場合は電話帳に番号が登録してあると思いますので、相手の名前が画面に表示されるはずです。番号が登録されているのに表示されない場合は怪しいと思ってください。


②URL(インターネットアドレス)が付いている

企業がサービスでSMSを利用する目的は「二段階認証のコードを送る」ことです。
メッセージの中に4〜6桁の英数字が書いてあり、英数字を別の画面で入力することで本人確認をするのが目的です。このコードもこの時のみに利用できるものなので紛失しても問題ありません。なので、このコード以外のアドレスが書いてある場合は要注意なのです。


③相手先の名前が書いてあるが怪しい場合

最近のSMSではあらかじめ送信者の名前を入れて送信する場合もあるようです。そのため、上記①のルールに適用されない場合もあります。しかし、②のルールの通り「URL(インターネットアドレス)が記載されている」のであれば、怪しいと判断して無視してください。



概ねこれらの内容を把握しておくと怪しいSMSを判断できると思います。

とはいえ、これら詐欺は日々新しい手段を産み出してきます。この情報も日が経つことで意味が無くなるかもしれません。出来る限り新しく正しい情報を入手すること、信頼できる相談先を確保しておくことが身を守ることで重要になります。


最後に、Amazonの場合はどのようなメッセージを送っているのかを確認することが出来ます。

Amazonショッピングアプリの場合、下部のメニュー[≡]をタッチ、[アカウントサービス]をタッチ、スクロールさせて[メッセージ]をタッチ、最後の画面で送られているメッセージをタッチ。Web版は[アカウントサービス]から同じようにたどれます。
なお、e-mailで届くものに限られますが怪しい内容を判断できます。


Amazonでは怪しいメールの見分けたなどを公開しています。
この機会に目を通しておくと良いでしょう↓

AmazonからのEメール、電話、テキストメッセージ、またはウェブページかどうかを見分ける


2021/01/08

モニタ割れPCの修理 HP Probook 4525s

モニタ割れ HP Probook 4525s の修理

不注意でモニタを割ってしまったこの筐体です。

わかりづらいですが、液晶のガラスが割れてしまって写りません。

D-SUBポートで外部ディスプレイには映りますが、やはり使いづらいとのこと。



聞くと、Windows7でなければ動かないシールプリンタ専用機なので安易に切り替えることも出来ないマシンとのこと。


2011年10月発売のこのモデルは10年経過とあってジャンク品は非常に多いです。

プリンタ自体の買い換えにはまだまだ時間がかかりそうと言うことで、ジャンク品からのモニタの交換を行います。


Probook 4525s での稼働実績のあるグレア処理のモニタが安価で手に入ったので交換します。

交換は至って簡単です。

本体を開封し、T8トルクスでモニタ部のネジを外し、ケーブル外して交換。


【追記】2021/01/19

HPでは「Maintenance and Service Guide」という冊子をWebで配布しています。冊子には本体の分解方法やパーツの交換手段、パーツNOなどが記載されていて交換作業などで非常に助かる内容となっています。記述は英語のみですが、イラスト入りなので大体分かります。本体型番でサポートを検索し、ユーザガイドに移動し、「PDFフォーマットのユーザガイド下部」で「English」を選択するとダウンロードできます。 

今回のHP ProBook 4525sはこちらになります。

http://h10032.www1.hp.com/ctg/Manual/c02791389


今回、ジャンクで購入したモノは、フレーム自体も付けてもらっていたので本当に入れ替えのみでした。LCDパネルだけの場合でも、フレームを開封して交換も可能です。


OSの動作確認をして修理完了。

モニタ割れなどのPCでも修理が可能です。

相談先が無い場合はSEM-ITまで是非お問い合わせください。

CADソフトの延命3:2021年のWindowsXP SP3の導入

CADソフトの延命3

2021年のWindows XP SP3 の導入

←前回の話

オークションから到着したWindowsXPのリカバリディスク(DELL用)を意気揚々とセット。

さてDVDでブート……ううぅん? 起動しない!?


CPU周りは掃除で復活なのですが、ドライブはかなり厳しそうorz

分解してピックアップ掃除でも復活しないのであきらめました。

OS再インストールのためだけに、SATAのドライブを購入するのも馬鹿らしい。そもそも、ブートに関わるのでUSB接続のDVDドライブもNG(実際に動きません)


さて、どうしたものかー…と、BIOSを見てみると「Removable」の表記。となるとUSBメモリからのブートの可能性があるということでUSBメモリブート環境を作成します。


MacのToast18を使ってDVDのISOイメージを作成※しRufus 3.13 Portableを使ってUSBブート環境を作成します。

※MacはCatalila(10.15)以降、標準のDisk UtilityではMac用のISOイメージしか作成できなくなっています。非常に面倒になっています。そのためToast18 Pro等のサードパーティーツールが必須になりつつあります。さすがAppleサポート切るのも早いなぁ。


ブート用USBメモリを装着し、起動時にF12キーを押すと「BAFFALO USB Flash Disk」の表示が…

これを選択して起動!


予想通り、USBからリカバリディスクを稼働させることに成功。

キチンと調べられていませんがPCI Express登載のマザーボードからはUSBメモリのブートが可能ですね。こういった意味でもWindows 98や2000ではなくWindows XPのベースPCを利用するのが最適と思います。


あとは、こっちのものです、VISTAインストールのボリュームをきれいさっぱりと削除して、クリーンな環境にてWindows XP with SP2 をインストールします。

OEM版なので、プロダクトキーの入力もありません。

#メーカPCの良いところは、ライセンスはPCごとに個別に振られることですね。
#VISTAのライセンスはもともとあるのでダウングレード権行使ということで…え?グレー?


やっと、Windows XPの環境にてインストール完了です。
が、ここからがさらに大変です。


まず、あらかじめ入手しておいた

  • Windows XP SP3(統合インストールパッケージ)の適用
  • InternetExplorer8のインストール

を行っていきます。

これは、最低限のパッチを適用するためです。


次に、ドライバ関連の導入。

インストール直後のデバイスマネージャは?マークが乱立。

DELLのサイトに行って、一つ一つ調べてはドライバをインストールします。
なお、サービスタグは14年経ってもキチンと認識できるので、ドライバ検索は早いです。
嬉しい!


Inspiron 530sではまずはこれが必須ですね。

  • Intel Chipset Driver
  • Intel Network Driver
  • Realtek Audio Driver
  • TEAC CAB-200 19-1 Card Reader w/BT

ここまではよかった。

どうしても適用できないのが「ATI Radeon X1300 Pro」のドライバ。

Inspiron 530sのドライバダウンロードページにに無いではないか?

他のドライバで代用できないかと試みるも、VISTA以降のドライバしか無い上に、.Net Framework 1.1と2.0を要求される!  しかも、その後インストール途中に弾かれる。

しょうがないので、他のDELLのマシンで適用されているWindows XP向けのドライバを探し当てて、無理やり適用してみる…OK動いた!

https://www.dell.com/support/home/ja-jp/drivers/driversdetails?driverid=7crd1

なんとかディスプレイドライバも入りました。


ここまで整えば、作業するには十分なので一安心。

最後に一つだけ残ったのは、Bluetoothドライバ。

TEAC CAB-200に内蔵されているBluetoothなのですが、Windows XPのドライバがどうしても適用されません。VISTAでは動いていたので別の問題かもしれないとし現時点で致命的ではないので無視します。


一通り、Windows XPの動作環境が整ったので、目的のCADをインストールして起動!

予想通り、ちゃんと起動する。

ドングル接続できていないのでエラー画面ですけど。


ということで、肝となるパラレルポートのドングルです。

ここで再度整理、このマシンDELL Inspiron 530sのスペックです。

CPUIntel Core2Duo E6230 1.83GHz (2コア)
メモリDDR2 2GB(1GBx2 空き2スロット)
チップセットIntel G33 Express
光学DCD/DVD-RW 16x
HDD320GB 7200rpm
VIDEOATI Radeon X1300 Pro 256MB (Dual Port)
その他カードRW(19in1)+Bluetooth 2.1 EDR
拡張PCI Express 1x、PCIx2 ロープロファイル

うれしいことに、PCIスロットもあるので選び放題なのです。


この際、後学のために「PCI Express 1x のIEEE 1284 ボード」でチャレンジ。

いろいろ検索すると、DELLでも採用実績のある「SUNIXの1-Port パラレルアダプタ」があるらしいので、をオークションで発見しさっそくポチります。

で、装着するも、OSではドライバなし。


メーカサイトからダウンロードで一発!と思っていたが…ドライバを提供していないだと!?


ドライバはOEM提供先(この場合は、DELL)から入手するようである。

なのでDELLのサポートサイトから、SUNIXのパラレルポートを検索。

多分これと思われるドライバを発見!

https://www.dell.com/support/home/ja-jp/drivers/driversdetails?driverid=23g1c


見事成功!

PCIe 1x のD-Sub25ピン IEEE 1284 の設定が完了です。


たいていの場合はドングルの認識先がLPT1になっているであろうことから、

ドライバの設定画面からLPT1に変更します。(デフォルトではLPT3になっている)


あとは、目的のCADソフトを起動!…問題なく稼動しました! 


パチパチ👏 自分に称賛を送りたいです。


さて、最後の関門、Windows XPの最小構成でのセキュリティ対策です。

2021年1月現在 Windows XPで稼動させることの大きな問題は、ネット環境で外部からのアタックに対して脆弱なこと。とにかく、サービスパック3の後配布されているパッチはできる限り適用するというのが基本。とはいえいままで使えていたWindows Updateがことごとく動きません。

証明書の更新やら、IEの設定見直し、Microsoft Updateへの直接接続、Update Agentの更新でも接続不能です。イベントビューアには、以下のエラーが延々と… 


自動適用は難しそうなので、あきらめて個々に設定を行っていきます。

  • 利用ブラウザの変更
  • 手動でのパッチの適用
  • Acrobat Readerの導入
  • 標準アプリのアンインストール
  • Administratorアカウントの無効化(01/11追記)


■利用ブラウザの変更

結果IE8は使い物にならないと早々に判断。

ネットに比較的安全に接続できるブラウザとしてFirefox ESR 52.9を導入します。

https://ftp.mozilla.org/pub/firefox/releases/52.0esr/



■手動でのパッチ適用

こちらのサイトを参照して、手動適用できるKBを適用(検索)します。

Microsoft ダウンロード カタログサイト(Windows XP SP3にて検索)

https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=Windows%20XP%20SP3


なお、適用するKBは以下の情報を見ると参考になります。

●XPリカバリー後windowsアップデートする2017年5月:パソコンリカバリ堂本舗 様

https://www.ikt-s.com/xp-windows-update-2016/


なお、この様なときに頼りになるのは5ちゃんねるの情報だったりします。
PC等 → Windows →【WindowsXPを使い続けるよ Part XXXX】の過去ログなどから、KB探して適用していきます。(リンクは張りませんので検索してください)

ちなみに、適用したKBやHotFixです。(すべて、32bit x86版)

KB955704、KB2964358、KB9692929、KB4012598、KB4024402、KB4025218、KB4500331、HotFix50777


■Acrobat Readerの導入

Adobeのサイトからダウンロードマネージャでの導入なのですが、Windows XPからだとAdobeのサイトに接続できなくてエラー。直接EXEでインストールした方が良さそうなので、FTPで取得します。Windows XP SP3で稼働する最終バージョンはVer. 11.0.08 です。

ftp://ftp.adobe.com/pub/adobe/reader/win/11.x/11.0.08/ja_JP/

最後に、PromoPDF等のPDF出力を導入すると、プリンタ出力からダイレクトにPDF出力できるので、古いCADをとりあえず、PDF化するときなどにも重宝します。

https://www.xlsoft.com/jp/products/primopdf/download.html


■標準のアプリのアンインストール

案外忘れがちなのは標準アプリです。
これはコントロールパネルから容易に削除できます。

コントロールパネル → プログラムの追加と削除 → Windowsコンポーネントの追加と削除


以下を無効化します。

  • FAXサービス
  • MSN Explorer
  • Outlook Express
  • Windows Media Player
  • Windows Messenger
  • インターネットインフォメーションサービス(IIS)
  • インデックスサービス
  • その他のネットワーク ファイルと印刷サービス
  • メッセージ キュー
  • 管理とモニタツール

ということで、とりあえず環境作成完了。


本来であればウイルス対策ソフトの導入が望ましいです。
今回は、機微な情報が扱われていない、インターネット接続は行わない、ということで導入はしません。必要時に立ち上げて印刷するなど既存CAD情報の取り扱いのみに限定して利用してもらいます。ただ、プリンタはネットワーク共有なのでイーサネットは有効にしなければならないのが難点。

最終的に、デフォルトゲートウエイを削除して、他のネットワークにルーティングさせないようにすることで、インターネット接続や情報漏洩の危険性は排除可能と思っています。


■Administratorアカウントの無効化(01/11追記)

非常に重要な事を失念していました。

Windows XPはAdministratorアカウントが有効化されており且つパスワードが未設定です。サービスをほぼ無効化しているので外部からアクセスできませんが、OS直下で怪しいプログラムがAdministratorで稼働可能になってしまいます。面倒でも標準ユーザで稼働させる設定にしておくことが望ましいです。

・Win+R → ファイル名を指定して実行にて lusrmgr.msc を入力してENTER


・ログインして利用するユーザ以外のアカウントを無効化
 アカウント名 右クリック→ [プロパティ(R)] → [アカウントを無効にする]をチェック



・ユーザ以外のアカウントをすべて無効化する。


・望ましくは、利用ユーザのグループも Users のみにして Administrators を消す
 但しアプリによっては、Administratorsを要求する場合もあるので要検証

です。


継続サポートをしつつ最適なお客様環境の維持に取り組んでいきます。



最後に、デバイスマネージャの状況です。




なかなか新規に移行できない環境でも維持の手段はいろいろあります。
ご相談はSEM-ITまでどうぞ。



CADソフトの延命2:WindowsXPマシンの準備

CADソフトの延命2

Windows XPマシンのハードの準備(2021年)

←前回の話

さて、CAD稼働の恒久的な対応はないかとパッケージを見せていただくと「Windows 95/98/NT4.0/2000」が対応のOSとのこと。ちなみに、発売元のメーカのサイトには、本バージョンのCADソフト自体も、Windows 98/2000/XP/VISTA/8.0もサポート終了の表示ともに何も情報がありません。潔い!


Windows2000まで対応可能ということは、16bit系のDLLや仮想デバイスドライバ(SYS)がないということと推測できます。ならば、稼働可能性が高そうで最終のバージョンになりそうなのが Windows XP! 懸念は「パラレルポート接続型のドングルを利用している」なのです。

以上から、PCの構成は

  1.  Windows XPが導入可能なマシンであること
  2.  IEEE 1284(パラレルポート)が搭載もしくは搭載可能であること

になります。

あえて「WindowsXPが導入可能なマシンであること」と記載しているのは、最新型のマザーボードの場合は、インストールの時点でHDD等を認識できないチップセットの可能性が高いことです。複雑にするよりも稼働が保証されている筐体が望ましいです。(Windows VISTA/7対応機でもダウングレードが出来るPCが最適)

以上から手段としては、Core 2 DuoクラスのPCで

  1.  パラレルポートがオンボードのPCを探す
  2.  デスクトップ系でPCIやPCIeにてIEEE1284を拡張
  3.  ノートパソコン系でPCカードにてIEEE1284を拡張

とが考えられます。


手持ちのデスクトップPCは無いことはない。ロープロファイルだが、PCIeもPCIもある。

安価に…とても安価に環境を整えるとするならば、手持ちのマシンを活用すること。

今回はこれでチャレンジします。


ちなみに、ボードタイプのPCIやPCIe 1xのIEEE1284アダプタは1,000〜4,000円ほど、ノートPC用のPCカードタイプ(CardBus、ExpressCard)のものは、3,000円〜10,000円程度。下手すると中古のマシン本体よりも高くなる可能性があります。

DELL Inspiron 530s (DELLのサイトより)

2007年に購入した「DELL Inspiron 530s」が埃をかぶっていたので引っ張り出してきました。埃まみれなら…と思っていましたが、自動車工場の小さい事務所で3年ほど稼働していたマシンは、埃どころではなく、ほぼ土まみれでした…😔 半端じゃな〜い。


開けてみるとビデオカードのヒートシンクも外れている。ということで、完全分解からの掃除を実施しました。
当時は奮発してメインマシンとして購入したPC。カードリーダライター(CFカードが読みたかった)のと、Windows VISTAを見越してグラフィックカードも別差しのモノを購入していたなぁと。その栄光も埃まみれに…😔

 
埃と土!が凄いこびりついている…

CPUファン回りもものすごいこびりつき。

CPUファンは爪で引っかかるタイプ。
経年劣化による爪折れが恐いのでヒートシンクのみ外すと…

ま、風はほとんど通らないな…これ。

マザーボードまで外さないと土埃がどこまで入り込んでいるか不安。


マザーボード、ドライブ類、電源を外して、ブロア&拭けるところはアルコールで拭く。
エアーコンプレッサーが欲しいと本気で思いました。

電源部も…もう広げる場所がないので畳の上で。

 

電源表の吸気側から見るとさほどの汚れではないのですが、内部の埃はものすごい。

これらを出来る限り清掃して埃を取り除いていきます。


意外と酷いのが、劣化した熱伝導シールの除去でした。

無水アルコールと綿棒、内張剥し等を利用して傷つけないように剥がしていきます。

CPU周りも。GPUも同様に。

CPUは、Core2Duo E6320 1.86GHz (2コア)

GPU(グラフィックカード)は、ATI Radeon X1300 Pro 256MB(Dual Port)

GPUには、ATIの刻印があることを今更ながら知りました。
お目にかかることはほぼ無いので驚きでした。


すべてを組み直して、復活させたPCに火をいれると…

ちゃんとWindows VISTAが起動した!しかも時計も生きていた!

バックアップ電池も問題なさそうなので、これでいけると判断しました。


次のステップが「Windows XPへのダウングレード」です。

DELLのマシンは、OEM版としてWindowsがプリインストールで販売されています。

面倒なのは「リテール版のWindowsがインストールできないこと」になります。

現時点でダウングレード用のCDは販売していないので、オークションにて購入するしかないですね…ぽちぽちっ


次は、2021年のWindowsXP SP3環境に関して→

CADソフトの延命1:Windows98でPDF印刷&USBメモリを認識

CADソフトの延命1

Windows98でPDF印刷&USBメモリを認識

Windows98で動いていたCADだが、使えるプリンタがなくなったのでどうにかならないか?

近隣の友人からの依頼で、たいそう前に購入したCADソフトの延命の相談を打診されました。 送ってもらった写真を見ると…これまた凄いマシンが…
 
NECのDOS/Vマシン PC-VU50L35B

 
キラリと輝くWindows 2000のシール



VALUESTAR U VU50L/35B 2000年発売 20年選手のおじいちゃんレベル。

CPU AMD K6-2 500MHz メモリ最大 256MB !?
こんなので充分動くのだから最近のOSの重さって…グチグチ

元プリンタメーカ技術者としてWindows98のドライバ提供は流石に難しいことも承知。
消耗品も手に入りにくくなるのは当然で対応プリンタを探すのは難しいと判断。

簡易の対処として「PDFを印刷出力してUSBメモリ経由で別のPCで印刷」を提案しました。

しかし、これを適用するのも「素」のWindows 98のPCには苦行でした。
  • USBはMasStrageDriveのドライバが未導入(あたりまえ)
  • CD-ROMドライブは稼働しないのでドライバ入れられず
  • FDには気が回らなかったので準備しておらず…そもそもディスケットの準備が…

意気揚々と1時間かけて向かった先で何も出来ないとは面子が立たない。

助かったのは、NICが追加搭載されていてイーサネット接続することが可能だったので、他のPCでドライバの在処を検索。Windows 98からURLを直打ち込みでしてドライバをダウンロードしました。なんとかUSBメモリを認識させることが出来ました。(ドライバは下部参照)

これにより、当面はPDFのやりとりで印刷の代替は出来るようになりました。


Windows98の環境では以下が注意と学習しました
  • USBマスストレージが標準では無いのでドライバをFDとCDで準備しておく
  • NICをPCIカードやPCカードにて準備しておく
今後準備するようにします。

利用したツールはWindows98(初期)で稼働する以下のものです。

■PDF印刷ソフト:PrimoPDF 

■Acrobat Reader:Ver. 5.01
FTPサーバからダイレクトにダウンロードする。(Download Managerが使えない)

■Windows98向けMasStrageDriver


当時のCAD製品は物理的なドングルによるプロテクトがかかっています。そのドングルをみると「アンフェノール 36ピン」でした😅。うーん、PC-9801から流れを汲むプロテクトキーなのですね。DOS/VはD-SUB 25ピンが基本なので、3mのプリンタパラレルケーブルの先に接続されています。(プリンタは繋がっていません)


シリアルポートよりも先に駆逐されてしまっているパラレルポートの環境を探さないと動かない。しかも、LPT1の双方向通信が必須となりそうなので「USB-パラレルの変換」アダプタは難しいと推測できます。

さらに調べると、このドングルを提供していたメーカ(十条電子株式会社)は2014年に廃業!?
詳細を調べることも難しくなってしまいました。

結果的にCADが稼働するプリンタポート付きのPCを確保しなければなりません。

「CADソフト自体を買い換えれば良いじゃ無い」と言うことが一般的な解決方法なのでしょうが、コスト面で投資が非常に厳しい中なので延命処置を講じていきます。

Mac mini 2018 のWi-FiやBluetoothが途切れる場合の対処

Mac mini 2018以降で、Wi-FiやBluetoothが不安定な方向けです。 SEM-ITも例に漏れずBluetoothが非常に不安定で、キーボード利用中に切断されると、文字が入力されたままになるとか、Magic TrackPad2の触感がいきなり無くなって切断される…...